仮説思考は必須スキル

「自分の頭で考えよ」

 

こんにちは。新川ヒカルです。

 

1年目の会社員でマーケティングの仕事をしています。

 

本を読んで得た知識をアウトプットし、知恵として活用していくために、ブログを書いてます。

 

今回は「コンサル1年目が学ぶこと」という書籍を読んで学んだこと、学びを活かした実体験をご紹介します。

 

本書は、各界で今も活躍している元コンサルタントの方の取材下、新人の頃に学んだことで業界・業種・役職問わず普遍的に役に立っているスキルを、外資系コンサル出身の大石哲之さんがまとめ上げた本です。

 

1年目の新人からベテランの社会人まで一生使えるスキルや考え方を学ぶことができます。

 

30個のスキルの中から特に1つのスキルをピックアップし、私なりの解釈を加えながら紹介していきます。

 

他の29個のスキルも非常に有益な情報なので、気になった方は本を手に取ってみてください。



本書の学び

 

身につけるべきスキルは結論からいうと「自分の意見を持って情報にあたる」です。

 

スマホやインターネットが普及した現代では、日々情報を洪水のように溢れだすほど触れていると思います。

 

情報を集めることで満足している人が大多数を占めます。

 

例えば、日経新聞を毎日読んでいる、ビジネス本を何冊も読んでいる、インフルエンサーSNSをフォローして投稿をチェックしている人、あなたの友人にもいませんか。

 

確かに、そのような情報は価値のあるものかもしれません。

しかし、情報を知ったところで、新しい能力が身につくかと言われれば、それはまた別の話。

 

今日もイイ情報を知った、感心した、自分の理想だと考えているだけでは人生何も変わりません。

 

では、どうすれば、情報を学びに転用することができるのか。

 

その方法が「自分の意見を持って情報にあたる」ことなわけです。

 

詳しく言うと「情報に触れる前に、1分間自分の中で仮説を立てる。そしてその仮説が正しいかどうか確認するために情報にあたる」ことを推奨しています。

 

実践例として、ニュース記事を読む際、すぐにニュース記事をクリックするのではなくクリックしたい気持ちを抑えて記事の背景やニュースとして取り上げられた理由を自分なりに考察すること。

 

YouTubeで動画を視聴する際、動画の結論を自分なりに予測すること。

 

ビジネス書を読む際、目次を読んでどのような内容が書かれているのか仮説を立てて読む進めること。

 

などが挙げられます。

 

ではなぜ、この方法は一生使えるスキルになるのでしょうか。

 

それは、自らの意見を持った後に情報に触れると、自身の考えが正しかったか、誤っていたか、はたまた触れた情報にはない新しい考え方だったのか、自然とフィードバックが行われるためだと考えられます。

 

たとえどんなに小さなフィードバックでも、繰り返していくことで、考える力が確実に養われていくことは火を見るよりも明らかです。

 

さらに、情報のインプット効率も向上も期待できます。

 

「カクテルパーティ効果」をご存じでしょうか。

 

騒がしいパーティ会場でも、遠くで自分の名前が呼ばれた時はすぐに気づいてしまうように、私たち無意識に自分に必要な情報を選択している現象を指します。

 

実は、この現象は資格情報にも働きます。

 

そのため、膨大な情報の中から、自身の意見を持った箇所はとりわけピックアップされ、記憶に残りやすくなると考えられます。

 

まとめると、

 

自分の意見を持って情報に触れること効果として、

  • 小さなフィードバックが得られ、成長する
  • 情報のインプット効率が向上する

が期待できます。




学びの実践

 

この考え方を用いて実際に日経新聞のニュースを読んでみました。

 

6/15の日経新聞のニュース『「バイクのカワサキ」の電動三輪車 完売まで15時間』

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC104UA0Q1A610C2000000/

 

この記事をクリックする前に、私は下記の仮説を立てました。

 

  1. 三輪車が売れた理由は、二輪車に比べてバランス安定し、スリップ等の事故が起きにくくなるためではないか
  2. 購入層は、新商品への食いつきが良い「アーリー・アドプター」や「イノベーター」だろうか。彼らに認知を広げる施策を打っていたのではないか
  3. 一般的な電動自転車の相場から考えると、価格は15万円程度だろうか



仮説を立てた後、実際に記事を読んでみました。

電動三輪車についてまとめると、

 

電動三輪車の概要

  • 販売方法:クライドファンディングで15時間で約3000万円集まり、100台売れた
  • 設計:前に車輪が2つ、後ろに車輪が1つあり、最大20キログラムの荷物を載せられる大きな前かごをもつ自転車ベースの乗りもの
  • 種類:こぐ力をモーターが補助する免許不要の「電動アシストタイプ」、モーターのみで動き普通自動車免許が必要な「フル電動タイプ」の2タイプ
  • 価格:税込みでフル電動型が32万円、電動アシスト型が27万円
  • 特徴:三輪のため「スタンドいらずで自立が可能」・「安定して曲がることが可能」
  • ターゲット:免許取得や車体整備にかかるコストや手間などの理由で二輪車に乗らない層
  • 開発経緯:二輪車には転倒の危険があり、安定する四輪車は大きく重たい。「小型で安定する乗り物」の需要を満たすには二輪と四輪のいいとこ取りができる三輪車しかない
  • 購入層:男性が圧倒的に多く、年齢は30~50代が中心。二輪車に近い顧客層だった
  • 今後の展望:脱炭素化が進む社会の中で環境負荷の小さい乗り物として訴求し、シェアリングサービス化を視野に入れている

 

記事の内容と事前に立てた仮説の検証を行います。

 

仮説1について

電動三輪車が売れた理由は直接述べられていなかったものの、特徴の1つとして確かに安定性が挙げられていました。

一方で記事から、電動三輪車二輪車と四輪車の課題を考慮しながら開発されたことが読み取れます。

そのため、電動三輪車の特徴について、二輪車を比較して仮説を立てていましたが、実際は四輪車も比較対象に加え仮説を立てるべきだったことが学び取れます。

 

仮説2について

購入層の特性は記事では触れられていませんでした。

一方で、販売チャネルはクラウドファンディングを用いることで話題を呼び、情報感度の高い二輪車好きのイノベーターたちの注目を集めることができたのではないかと推察されます。

 

仮説3について

価格は約30万円程度で、相場に比べて少し高めでした。

高価格でも三輪車という既存の市場にない製品が受け入れられたことが読み取れます。

ある程度収入に余裕がある層が興味本位で購入したと考えられます。

 

このように事前に仮説を立てて情報にあたることで、

電動自転車の特に購買層や特徴、価格に注目し情報を効率的に取得することができたうえ、商品の比較対象について視野が狭かったことが新たな学びとなりました。

 

仮説と触れる情報が同様であっても、結論に至るまでの視点や思考が異なってる場合は往々にしてありますが、異なっているからこそ新たな学びになります。

 

フェルミ推定で知られるエンリコ・フェルミは生前に下記のような名言を残しています。

 

(実験の)結果には2つの可能性がある。 もし結果が仮説を裏付けたなら、あなたは何かを計測したことになる。 もし結果が仮説の反対であったなら、あなたは何かを発見したことになる。

 

仮説は間違っていても構いません。

自分の考えが間違っていることに気が付くこと、思考することに意義があるのではないでしょうか。

 

また、このような仮説思考は情報に触れるとき以外にも有効です。

 

例えば、相手に質問をするとき。

 

自身意見がなく抽象的な質問を投げかけるオープンドクエスチョンでなく、自身の意見を踏まえて回答範囲を限定したクローズドクエスチョンの方が評価が高くなります。

 

人に教えを乞う際も、自分がどこが・なぜ分からないの意見を持ったうえで依頼する方が、教える側に対する印象も良くなるはずです。

 

このように仮説を持っておくことは、成長スピードを早めることや他人からの評価アップが期待できるため、行わない理由がないのではないでしょうか。

 

ぜひ今日から仮説を持って情報に触れてみてください。

 

ではまた。

 

新川