『「具体⇄抽象」トレーニング』の要点及び感想

 

はじめまして!

新川ヒカルと申します!

 

理系の大学院を修了し、今年から都内で働き始めた24歳会社員です。

 

うつ病で祖父と後輩が自殺したことから、精神疾患や自殺者をひとりでも救いたいと考え、ストレス解消法などの情報発信をはじめました。

 

情報発信する上では、自身の考えや意見を上手くまとめる力が必須です。

ただ、私は典型的な理系の人間でして、書くことや話すことが正直得意ではありません。

これまでの人生で「何が言いたいの?」と何度言われてきたことか。。。

 

そんな自分を変えるために、文章術や思考術などを日々勉強中です。

 

本ブログでは、勉強した内容の要約と自分なりの意見のアウトプットを行い、皆様の人生に少しでもプラスになる情報をお届けしていきます。

 

温かい目で見守っていただけると幸いです。

 

 

記念すべき初記事では、細谷功さんの著書

『「具体⇄抽象」トレーニング』

の解説&感想をご紹介しています!

 

本書の結論

本書の結論は

「具体⇄抽象を往復することで思考力が劇的に変化し、1を聞いて10を知ることが可能になる」です。

 

皆さんの身の回りには、何を言わなくても勝手に成長していく人や、言われたこと以上に学習する人はいませんか?

本書の具体抽象の考え方をマスターすることで、日常のすべての体験を学びの場と変えることができるようになります。

平たく言えば、頭が良くなる思考法であり、本書を実践することで周囲の人間と圧倒的に差をつけて成長できます!

 

ビジネスマンやフリーランス、職業を問わず、読んでいただきたい本の1つです。

 

具体・抽象について

そもそも具体と抽象とは何を指す言葉なのでしょうか?

 

まず前提として、具体と抽象は相対的な概念です。

つまり、比較対象が存在して初めて具体抽象が決まります

 

例えば、「大きい」や「小さい」という言葉は「何」に対してなのか定義しなければ決まりません。

「電車」と聞くと大きいと感じる人も多いかもしれませんが、「地球」に比べてはるかに小さなものになります。

ハエ」と聞くと小さいと感じる人も多いかもしれませんが、「原子」に比べるとはるかに大きなものになります。

 

このように、具体・抽象は、何かしらとの関係性を示す言葉で、2つ以上のものを対比することで定義が決まると本書でも述べられています。

 

その前提のもと、それぞれの性質を比較で示すと、下記のようになります。

 

抽象とは、集合・一般・五感で感じられない概念・二者以上の関係性

具体とは、個別・特殊・五感で感じられる実体・個々の属性(形・色・大きさ等)

 

ここで、具体と抽象について「魚介類」という言葉を例に考えてみます。

 

「魚介類」を具体化すると「マグロ」、「ブリ」、「タイ」等の個別の魚類へ。

「マグロ」をさらに具体化すると、「クロマグロ」、「メバチマグロ」、「ビンナガマグロ」等のより細分化された品種に変化していきます。

一方で、「魚介類」を抽象化すると「食品」へ。

「食品」をさらに抽象化すると、「生物」とより一般化した概念に変化していきます。

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具体と抽象の例

 

つまり、抽象度が上がれば上がるほど一般的になり、具体性が上がれば上がるほど特殊な事象になるわけです。

かみ砕いた言い方をすれば、抽象とは共通点を見つけること、具体とは相違点を明確することもいえます。



具体⇄抽象トレーニングの例

具体と抽象の違いをなんとなく理解していただけましたか?

 

本書では「具体→抽象→具体」という抽象化と具体化を組み合わせた思考により知的能力の向上を目指します。

具体的には、まず個別の事象を具体的に捉え、それを一度抽象化して本質を見抜き、見極めた本質から再度具体化するという思考を目指します。

 

本書では、思考トレーニングとして問題が29問出題されています。

そのうち1つをご紹介します。

 

Q:住所に関して「持ち家か賃貸か?」という構図が住居以外にも存在しないのか?

 

持ち家か賃貸かは永遠の議題ですよね。

「どっちが楽しい」、「どっちがお得か」などヒトによって様々な意見が出ると思います。

 

この議題は単に住む場所の議論ではなく、部屋の自由度や土地など具体的なレベルでの議論になってしまいます。

しかし、この議題を具体的なレベルから抽象度1段階上げると「所有か非所有か」の議論であると考えることができます。

 

こう考えると、この議題は「買い切りかサブスクリプションで月額払いをするのか」ソフトウェア利用法の違いと同じ構図であることが分かります。

そして、これらのソフトウェアの違いとして挙げられる「最新機能が使用できるか否か」、「メンテナンスの必要性の有無」は、住居の違いにも共通することに気づくことができます。

 

また、「所有か非所有か」という図式は、ソフトウェア以外にもサブスク化が進む「車」や「洋服」の構図と同様であると捉えることも可能です。

 

このように考えを膨らませていくと、サブスク化に向いている商材の性質が住居の違いから類推できます。

 

実は、この構図は「サラリーマンとフリーランス」の構図とも一致しています。

 

 

経営者にとって魅力的なサラリーマンの特徴は、私たちが住居や車に魅力を感じる性質と酷似していると推測できます。

 

1度概念を抽象化され自由度を上げた後、具体的な事象を考える。この具体と抽象を往復することで、1つの事例から数多くのことが類推することが可能となるわけです。

 

具体化・抽象化のコツ

具体と抽象の思考法を理解していただいたところで、実際にどのように考えれば具体化と抽象化が可能なのか疑問に思う方もいるかもしれまん。

 

本書では、ポイントは具体化(抽象→具体)は「How?(どうやって)」を、抽象化(具体→抽象)は「Why?(なぜか)」を問いかけることと述べています。

 

ここで、このポイントを踏まえつつ、具体⇄抽象思考を行った私の実体験をお話させてください。

 

先日、会社でエクセル研修を受講しました。

講義内容はSum関数や条件付き書式。

 

大学でエクセルを使用していなかった人でも知っているようなほど簡単な内容だったため、

正直「このような誰でも知っているような知識に時間をかける講義は時間の無駄である」と感じました。

 

一方で同期は

「初めて知る内容ばかりで非常に参考になった!」

と絶賛の嵐。

 

自慢したいわけではありませんが、同期と私の知識のギャップがあることに驚愕しました。

 

この体験を抽象化して考える(=なぜ起きたのか「Why?」と問いかける)と、

「自分の知っていることは他人が知っているとは限らない」=「自分の常識は世間の常識でない」という考えることができます。

 

そう考えると、「自分の知識は誰かにとって価値があるのではないか?」という仮説が立ちます。

 

そして、この仮説を具体化(=どうすればいいのか「How?」と問いかける)し、「Twitterやブログ等を通じて自分の知識を発信しよう!」と私は考え、情報発信を始めました。

 

これが、「why」と「how」を問いかけ、1つの体験から、まったく新たな学びを得た例です。

 

このように、この2つの疑問を投げかけることで日常のすべての体験を自身の成長の糧に変えることができると考えられます。

 

具体⇄抽象を行った感想

ただ、体験をすぐに抽象化・具体化することは、現実的に困難であると感じました。

なぜならば、この思考を行うためには、ある程度まとまった時間が必要です。

しかし、日常生活において手が離せない瞬間、例えば、友人とともに時間を過ごしているとき、タスクに追われているときなどは、往々にしてあるためです。

 

こうした問題を解決するために、私は1日の終わりにまとめて具体化と抽象化を行うようにしています。

 

日記アプリに1日の体験を具体的に記述し、抽象的な概念を見出し、新たな学びとして具体化し、明日以降の行動の変化につなげるというものです。

 

習慣化して未だ数週間のため、効果を実感できていませんが、継続して取り組んでいきます!



まとめ

最後に本書のまとめと、本書の私なりの実践法をご紹介します。

 

結論:

具体抽象思考法によって、1から10のことを学ぶことができる。

 

私なりの実践法:

具体的な体験を日記等に記録し、1日の終わりにwhyで抽象化しhowで具体化する

 

この本について興味を持たれた方がいれば、ぜひ読んでみてください!

ではまた。

 

新川